ネットで出てくる情報からすると、HO_CADユーザーはAutoCADのDWGを鬼門扱いしてるくらいしかわからなかったので、自分で色々と試してみた結果をメモしておきます。
結論からすると以下の変換方法を使うと元図面に近い状態でやり取りできます。
HO_CAD → AutoCAD :SXF(SFC、P21)
AutoCAD→HO_CAD :SXF、Jww(できればJww)
※ 使用したソフト: AutoCAD 2008、HO_CAD Pao、JacConvert
※この変換方法ではハッチオブジェクトの再現性は問題にしていません。
- HO_CAD→AutoCAD
AutoCADからSXFデータトランスレータを使ってHO_CADから書き出したSXFをモデル空間に読み込んでしまえば完了です。
※2010対応版でSXFデータトランスレータ、SXF Converter for LTの開発は終了しました。2011以降はAutoCADならばサブスクリプションを結ぶと無料で送付してもらえるCals Toolを使って直接Jwwに変換することができます。LTでは事実上SXFに変換できず、LTとCals Toolのセット販売であるCivil Suiteを購入する必要があります。
- AutoCAD→HO_CAD (SXF編)
1、AutoCAD上でこのように図面枠の左下(赤●)座標が X=20, Y=20から大きく離れてSXFに書き出すと
HO_CADで読み込むと図面印刷範囲から外れてしまいます。
2、AutoCADで図面枠の左下をX=20, Y=20に合わせてSXFに書き出した図面
HO_CADではきちんと印刷範囲に収まってくれます(尺度が半端なのでぴったりしてませんが)
※「基本的には」というのは、はみ出た部分へは、その空間から続くオブジェクトがあれば見ることができるので、たとえば線分をひたすらその図面のある場所まで続けて書いていくと図面が出てきます。が、余計な手間以外の何ものでもないですね。
この図面としてのオブジェクトは存在してるのに表示されない現象、国交省のCALS/ECサイトやJACICのサイトで配布してるSXFブラウザでも起きます。ということで、これはSXFの制約というか規則なのかもしれませんね。
なので、AutoCADユーザーがSXFでHO_CADとやり取りする際にはこの点に注意しないといけません。
今のところ思いつくAutoCADユーザーの注意点
- AutoCADのモデル空間をSXFに書き出すときにはモデル空間でA1に縮尺を合わせた後、図面枠の左下をX=20, Y=20に合わせた上でSXFに変換する。
- ペーパー空間をSXFに書き出すときは基本的にX=20, Y=20の座標に合ってくれるが、ずれる時がある(どういうときにズレるかは不明)ので、書き出したSXFをAutoCAD上に読み込んで、座標を確認する必要がある。
- AutoCADで平面図を作図する時には座標を記したグリッドを作っておく必要がある。(国産CADは基本的に絶対座標で作図できないから)
- AutoCAD → HO_CAD(Jww編)
実際の図面に記されている2つの座標(-121200,-44000)と(-120200,-44400)を使って絶対座標に合わせた図面 (絶対座標に合わせたのは、このテストのためです。通常は合わせないまま変換して大丈夫。)
※ただしHO_CADユーザーが印刷するときには、きちんと図面の向きを設定しなおす必要が出てきます。なので、この方法はAutoCADユーザーの負担をできるだけ少なくする場合として考えます。
現状、DWGをJwwに変換するのに最適なものはJacConvertだと思います。JwCadを使ってDXF経由でJwwにする方法もありますが、属性文字が消えてしまうという問題があります。
JacConvertでは属性文字も文字として変換してくれるのが助かりますし、だからこそJacConvertを使うわけです。
※HO_CAD PaoならばJwwを読み書きできますが、旧来のHO_CADでは読み書きできませんので注意。
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